OB総会

 四谷で、母校山岳部のOB総会があった。現役の学生と、OBが集まる年1回の総会だ。会計の管理を任されている私は、簡単な報告書を作って持参する。会計の管理とは、要するに、OB会費などで集まったお金を銀行で管理し、使用は現役自身が行うが、使途不明金がないかどうかに目をつけておく、という役割だ。
 集まるOBは60代が圧倒的に多い。定年を迎え、時間ができた分山を活発に登るようになった人や、エネルギーを研究や趣味に向けている人など、活動的な人が多くいる。今年は、会長の交代と挨拶があった。交代するOBも、交代されるOBも、本当に学生時代に山を登っていてよかったと思っていること、人生の大きな部分を山から学んだと思っていること、だからこそ、こういう集まりをうれしいと思っていることがよく伝わってきた。
 今年、カラコルムにトレッキングに行くOBに、その辺りの地域についていくつか質問された。今年、下見をして、来年はどこかピークに登りに行く計画なのだという。実に、楽しそうで、うらやましい。学生時代、谷川岳で雪上訓練をしているとき、このOBは、やんちゃで手を焼いている中学生の息子を連れてやってきたことがあった。その子は私たちの間に入って、ピッケルストップやら、登下降やら、必死にやっていたのを思い出す。聞けば、その息子さんも、その後板前の修業を積み、今は立派に恵比寿の店で店長を任されているという。中学生だった息子さんも、もう、そんなに立派になったのか…。時間が経つのは実に早いと愕然としてしまう。でも、近いうちに、ぜひ、そのお店に連れて行ってもらおうと、約束する。
 2次会にも誘われるが、富士山でのトレーニングを思い、早々に家へ向かう。