再び富士山へ

 高速バスに乗り、再び富士山へ向かう。天気予報では、雨に降られそうだが、今日1日はなんとか持ちそうだ。
 昼近く、富士山五合目に到着。五合目で、夏の間だけ雨具貸業を営む、有名クライマーのA君にお会いする。家財道具から、商売道具、全てを乗せている車できていた。中を見せてもらう。実にうまく、仕切りなどがあって、綺麗に整理されている。彼は、まだ、T大の大学院生だが、一年のうち、夏の間だけ、雨具貸業をして、1年分の収入を稼ぎ、あとは、好きなクライミングやエクストリームスキーをやって過しているのだと聞いている。研究熱心で、トレーニング論やサプリメントの考察などを専門誌に掲載してもいる、秀才だ。数年前、T大の総長賞を受賞して何が欲しいか聞かれたときに、大学の駐車場の一角を1年間貸してほしいと答えたそうだ。その土地を元手に、車を買い、そこに住みながら、クライミングやスキーをやっているのだという。なんてステキなライフスタイルだろうか。その他、夏の富士山で登山ガイドをしている、ローツェに無酸素で登頂した、M大のA君などにお会いする。夏の富士山のガイドには、実は、すごいクライマーが紛れ込んでいるのだ。みんな、かなりのイケメンのうえ、ピシッとしていてかっこいい。さぞや、ファンが多いことだろう。
 前回食べそこなった、400円の焼きそばを食べてから出発。今回は、2泊分の装備や食糧を背負っている。無理せず、ゆっくり登る。9合目を過ぎたあたりから、風が冷たくなってくる。それでも、雨が降らないだけまだましだ。5時間と少しで、頂上着。夜中、外を見ると、遠く落雷の稲光だけが美しく光っている。Spo2は、それほど良くはなく、60台になっている。それでも、自覚症状は悪くなく、調子はいい。ちょっとだけ頭痛がしてきたので、アスピリンを飲んで就寝。