鹿児島土産

 地獄の週末を過した割には、体調は良いようだ。仕事にも、それほど支障を感じずにいられてよかった。会社のお土産には、黒糖パイを持参。昼休みに、鹿児島の話しになる。

「鹿児島の鹿屋体育大学には、高い山に登るためのトレーニングができる規模の大きな低酸素室があり、そこでトレーニングをしてきました」
『つまり、高い山と同じ状況を経験するということね? それは、気圧も変わるものなの?』

 山登りに対してそれほど興味がない先輩だが、核心をついた質問で驚く。専門的な視点からみれば、低酸素室が常圧か低圧かは重要なことだ。今回は、気圧は平地と同じ常圧で、酸素の濃度だけが高所レベルになるという施設だった。こういった常圧の低酸素施設は、気軽に出入りし易いという利点があって、スポーツ選手のトレーニングにも利用されている。低酸素でのトレーニングや宿泊は、高所と同じ環境に慣れるという意味では、高所へ出向く登山者にとっては実に実質的なトレーニング。一方で、トップアスリートといわれる人たちにとってもヘモグロビンを増やすなど、良い効果が期待できるトレーニングで、水泳の北島選手が行ったことでも知られたりしているから、一般的な認知度がもしかしてあるのか? 

 面白い記事を見つけた。

<Yahoo辞書より>
「ここで生活することで、高地トレーニングと同じように、EPO(造血ホルモン・エリスロポエチン)の増加、赤血球の増産による持久力(有酸素運動能力)の向上が期待できる。北欧、アメリカなどの訓練センターにも導入され、持ち運びできる吸入器などの形で広く使われ始めている。しかし、この訓練が「ドーピング(禁止薬物使用)」にあたらないかどうかは今後の検討課題。国際オリンピック委員会IOC)は世界反ドーピング機関(WADA)の禁止物リスト委員会に、フランスとスイスの五つの大学の共同調査による「低酸素室・器具に関する調査報告書」を提出している。WADAはこれを受けて、2006年のトリノ・オリンピックまでに方針を決める。」

ドーピングかどうか? 体を張って苦しんで順応した私にはトレーニングに思えるけど…。